【アーカイブ 公開研究会】立ち上がる人々 :社会変革のための組織化(organizing)と動員(mobilizing)

【日時】2018年11月22日(木)18:30~20:30

【会場】首都大学東京 秋葉原キャンパス

【講師】ハリー・ハン教授 : Dr. Hahrie Han(University of California, Santa Barbara ※所属は研究会当時)

(講師紹介)アメリカの市民活動やオーガナイジングについて政治学的な視点で研究を行っている。さまざまな領域における市民団体National Association of DoctorsやPeople for the Environmentなどの調査を基にそれらの組織において人々が、どのように活動参加が具体化させているのかといったことをまとめた著書『How Organizations Develop Activists: Civic Associations And Leadership In The 21St Century 』がある。

本公開研究会は、下記の後援のもとに実施されました。

後援:NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン、福祉社会学会

開催日当日は平日の夜間帯となりましたが、研究職の方や市民団体、労働組合の現場の方など、当初の予定定員を超える70余名の参加がありました。

ハン教授の講演は、会場からの質問を適宜受け付けながら、講演テーマとなる市民活動における人々の組織化(organize)と動員(mobilize)がいかに異なるのかについてアメリカの市民団体の事例を含めた説明がありました。ハン教授は、それらのアプローチの違いを一本の木になる果実をどのように手に入れるかということに例え、地面に近い果実(low-hanging fruit)のみを手に入れようとするのが「動員」、木の真ん中または高いところにある果実までに手を伸ばしそれらも手に入れようとするのが「組織化」の意味合いに近いことを説明されました。そしてアメリカの市民団体の内、効果的な活動・運動を展開する組織では、これらの組織化、動員のどちらも交えながら、その実践を展開していたということをご自身の研究結果を踏まえ説明されました。なおこれらに関連する内容は、上述した『How Organizations Develop Activists: Civic Associations And Leadership In The 21St Century 』で詳述されています。会場とのディスカッションにおいてこれらの理解をさらに深めながら、当日は盛会のうちに終了しました。