【日時】2021年2月27日(木)10:00~12:00
【方法】Zoomによるオンライン開催(同時通訳)
【講師】マイケル・ギーカン氏 : (Industrial Areas Foundation シニアアドバイザー)
(講師紹介)IAF(Industrial Areas Foundation )における、コミュニティ・オーガナイザーとして40年以上のキャリアを持つ。自身のオーガナイザーの経験を踏まえて、COの実践をまとめたGoing Public: An Organizer’s Guide to Citizen Actionや、アメリカの郊外地域の行政予算の破綻や公立学校の崩壊の問題を示し、その解決を論じるAfter America’s Midlife Crisis等の執筆活動も行っている。現在はMetro IAF でのスーパーバイザーの活動や、IAFのシニアアドバイザーの役割を務める。
当日は米国より、オンラインにてギーカン氏より講演を頂きました。前半では、主に1940年に設立されたIAFの現在に至るまでの歴史について、各時代において主要な役割を果たしていた人物、主として連携をしていた団体、資金獲得の流れなどの枠組みを元に解説を頂きました。IAFの創設者の一人であるアリンスキーが持つ推進力に頼っていた過去の時代から、資金調達および人材育成の方法を確立させ、その取り組みを米国の広範な地域のみならずヨーロッパやオーストラリアへと拡大させてきたIAFの発展の歴史が説明され、それらを経て現在に至り形成されたパワー・オーガナイジング等を重視するIAFの文化についてもお話を頂きました。
講演の後半では、ニューヨークにおける住宅供給の問題に関するオーガナイジングの実践の紹介をして頂き、それを踏まえて公共の取り組みにおける「サービス」、「動員」、「オーガナイジング」の3つの違いについての解説を頂きました。それぞれはパワーをどのよう捉えるかという点で大きな違いがあること、その点に関連し、パワーを持つ人を見定めること等を意味するパワー分析が重要になるといったお話を伺うことができました。
さらに講演では、参加者より多岐に渡る質問が挙げられ、オーガナイジングを展開するにあたり、どのようにして活動のリーダーが決まっていくのか、パワー分析は具体的にどのような方法を取るのかといったこと等についてのディスカッションが行われました。
(関連ページ)
以下のページでは、「バック・オブ・ザ・ヤード」の実践以降、コミュニティの変化を背景にした人々の政治や制度構築への関与について、またコロナウイルスのパンデミックからの回復に向かうアメリカ社会のあり方等について、オーガナイザーの経験も交え広く論じられている。
〇Back of the Yards Lessons from a Community Organizer on Building Political Power(2017年1月) 〇Recovery Will Take More Than Money(2020年5月) 〇In Defense of Politics(2020年10月) 〇Going Public 文献紹介・書評(イタリア語)(2021年1月:Luca Ozzano)